胸ポケットにペンを挿してはいけないの?

胸ポケットにペンを挿してはいけないの?スーツのジャケットの胸には、ポケットがある。 腰ポケットが両方にあるが、胸のポケットは片方のみ。
このポケット、ボールペン入れになっていないだろうか? まず、ボールペンを挿すのは美しくない。 確かに取り出しやすいのだが、ここはスマートに内ポケットに仕舞うべき。 7Q6A7853 さっと内ポケットに手を入れ、馴染んだボールペンを取り出す光景は悪くない。 このポケットは、実はある意味があって取り付けられた。
もちろん、ボールペン入れではない。 話は随分と遡り、フランス革命のさらに前。 人々はハンカチーフを手に持っていた。

そもそもなぜ手に持っていたかといえば、 もともとは頭にかぶっていたカチーフを、手に持って色や柄でファッションを楽しんだのだ。

しかしファッションは度を過ぎると嫌味になる、 色や柄ならまだしも、ついには大きさも形も競うようになる。
極端に大きなハンドカチーフを手に持つ者、さらには星型のハンドカチーフを持つ者まで現れたという。
あまりに華美なこの光景に、 マリーアントワネットが怒りをあらわにし、 夫、ルイの権力を利用して法律を作る。

その法律たるや、
ハンカチーフについては、白く、四角い物のみを認める、といったような内容。 こうして統一感ある白く、四角い現代でも使用しているポケットチーフの基礎が生まれた。

しかし、常に手に持っている文化についても改善がなされ、 最終的にはこのハンカチーフ入れポケットが開発された。 それがこの胸のポケットである。

つまるところ、このポケットにはボールペンではなく、 ポケットチーフのみを入れて良いというものであり、 それが一番美しいのである。
どうしてもポケットから自慢のボールペンを見せたいのならば致し方ないが、 くれぐれも100円ボールペンを胸に挿すことだけは避けたいところ。

スーツのチェンジポケットは、本当は◯◯入れだった!

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ブリティッシュスーツという言葉から連想するのが、チェンジポケットではないでしょうか?

そもそもスーツの起源が英国ですから、決して英国=チェンジポケットというわけではないのですが、そういったイメージは強いかもしれません。

腰の片方だけ、なぜか2つのポケットがある、この上部のポケットがチェンジポケット。

一体なぜこんなところにポケットがあるのか?というヒントは、チェンジポケットのチェンジという用語にヒントがある、チェンジ=お釣りでしょう?と思いがちですが、実はさらに歴史を辿ると別の使用方法があるのです。

 

鷹狩りというスポーツがありましたが、この時、鉄砲の発砲薬を入れておくポケットであった、という説もあるのです。

ですから現代でもスポーティなジャケットにチェンジポケットがついていることがあります。

 

チェンジポケット

チェンジポケットの効能は?

ただ何かを入れる場所ではありません。そもそもスーツのポケットは、使用して良いのは内ポケットだけです。

なぜかというと、型崩れしてしまうため。

では何かチェンジポケットがあることで得られるメリットがあるのかといえば、

まず、足長効果です。

 

ポケットがより上についていることで、ポケット周辺をウエストと捉える概念からすると、やや上にウエストポイントがくることになります。

腰が上に見えれば、その分足が長く見える、ということになります。

 

次に、個性の発揮です。

スーツやファッションにおけるディテールは無数にありますし、シルエットもそれぞれです。

しかし、自分のスタイルは確率した方がお洒落です。

例えば、流行に流されていつもいろいろな服を着て、新しい服が良いとわかればそれを着る、というスタイルもあるでしょうが、真にお洒落だなと感じる方には、その方なりのスタイルがあるものです。

例えば、いつもハットをかぶっている、

春でも冬でも必ず明るい色のネクタイを身につけている、

そういった細かい部分にこだわりが滲み出るもの。

 

その意味ではチェンジポケットも一つの自分らしさにできる部分です。

 

 

ビジネスのスーツでチェンジポケットは?

仕事内容によるものの、ほぼ問題ない、と過言ではありません。

 

就職活動(リクルートスーツ)でチェンジポケットは?

マイナス点を避けるなら、チェンジポケットのような装飾は避けます。

ここは、人事の方がどう評価するか?入社したい会社がどう評価するか?

ですが、未知数の場合は無難かつ王道の服を着て、自己アピールした方が良いでしょう。

アパレルやファッション業界、インテリアやウェブデザイン、IT業界であればこの限りではありません。

 

結婚式の列席でチェンジポケットは?

本来フォーマルの対極に位置する、カジュアルなチェンジポケット。

避けるのが良いでしょう。

例えばフォーマルの最高位といえるモーニングコートや、日本の準礼装のタキシードには、チェンジポケットはありません。タキシードなどは、雨が降る場所にすら行かないことから、雨フタと呼ばれるポケットのフラップすらないほどです。

 

もちろん、それでも敢えてチェンジポケットスタイルで!というのはセンスです。

 

 

メンズ・サイドゴア・ブーツに火をつけた紳士たち

サイドゴアブーツのオーダーシューズ アノネイブラウン

エレガントな甲、装飾もなくヒモもないシンプルなデザインの、サイドゴアブーツ。

サイドゴアブーツとは、ブーツの両サイドにゴム(エラスティック)が施されているのが特徴で、とても脱ぎやすく、そして履きやすいブーツです。座敷に上がる、得意先の自宅へお邪魔する、などの機会で靴を脱ぐ文化がある日本では実用的に感じる方も少なくないでしょう。

1960年代に、ビートルズブームが起きました。

このときビートルズが履き、その影響からモッズたちに瞬く間に広がり、一世を風靡したのが、チェルシーブーツですが、ロンドンのチェルシー地区からのネーミングでチェルシーブーツと呼ばれるようになったといわれるそのブーツも、サイドゴアブーツのことです。

サイドゴアブーツのオーダー靴 アノネイブラウン

このブーツは、イギリスのJスパーカーホールがある方のために考案したブーツなのだとか。

ある方とは、即位前のビクトリア。彼女が脱いだり、履いたりしやすく、それでいてフィット感のある靴を、という目的で開発されました。

ところが、このブーツを見て《ハマった》のが、彼女よりも、彼女の夫。

そう、アルバート公です。

英国議会の登院に履いたことから、今度はアルバートブーツという名前で呼ばれるようになりました。

 

こうして現代でも様々な呼ばれ方をするブーツですが、スーツスタイルに合わせてもエレガントながら、独特のエッセンスを感じるのはこうしたストーリーがあるからではないでしょうか。

レザーも黒や茶を選べばスーツスタイル、ジャケットスタイルにしっくりきますが、時にスウェードのサイドゴアブーツなども味わい深いものがあります。

独特のシンプルなフォルムがゆえ、履く毎に履きジワに渋みがある、そんなブーツではないでしょうか。